私の経歴について2015.11.29

私の修行時代は東京都町田市に今もある茶位幸信ギター・ヴァイオリン工房にて1998年から2010年までの12年間にわたります。   お給料はとても安かったけど歩いて10分程のところに団地があり、そこの部屋を寮として用意してくれたので生活は何とかなりました。そこに弟子仲間3人との共同生活が始まったのが1998年です。  

 

 

1998年と言えば日本経済がデフレに突っ込んでいった年ですが、そんなことは気にする余裕もなくまだまだ仕事はいくらでもありました。   私の担当はネック。毎月30本近く作るクラシックギターのネックを必要になる日までに仕上げます。ネックの反りや捻じれを修正し、スロテッドヘッドの糸倉の中をナイフで削ります。ヘッドはペーパーで綺麗に磨いて、あとはボディにセットできる状態に仕上げるのが私の仕事でした。  

 

またネックのストックが無くなってくると地下の機械室でそれこそ何百本単位で作ります。 への字材のマホガニーを自動鉋やバンドソー、丸鋸等を使って半加工状態にまで作るのに約1週間。毎日地下に籠っては粉まみれになりながら延々と作業をしていました。   そしてそのうち茶位ウクレレを私が専属で作るようになり、それが今の仕事に繋がりました。茶位ウクレレはそれこそ何百本作ったか分かりません。

 

F’sウクレレも基本的には茶位ウクレレと同じ作り方ですが、作っていくうちに私独自のやり方を取り入れたり、そして何よりクラシックギターの製作ノウハウが茶位ウクレレ、F’s ウクレレ共に込められています。   そんなこんなであっという間の12年間でしたがリーマンショック以降、工房の仕事量が減ってきたのを機にそろそろ独立しなくてはと思い立ったのが2010年でした。

 

  私の師である茶位幸信氏は私が独立した1年後に亡くなってしまいましたが、私が修行した12年間にいろんなことを教えていただきました。私が今あるのは親方(と呼んでいました)のおかげです。   ご冥福をお祈りいたします。  

 

plane&chisel  


Top