ウクレレ裏板の割れ止め2016.01.26

ウクレレ裏板割れ止め

 

木工では接ぎが一番難しいと言われます。2.3㎜の薄い板を貼り合わせる接ぎは接着面が狭いこともあって仕方がないのですが、裏板の場合は補強のために割れ止めを接着します。将来的に接ぎ部分が開いてこない為の補強ですが、もちろん1Pの1枚板の裏板では割れ止めを貼る必要はありません。

 

木というものは木目に沿って割れます。木目に交差して割れることはぶつける等の衝撃以外ではほとんどないので割れ止めの木目方向は裏板の木目方向とは垂直方向にさせます。木は木目方向に引っ張られる力には強いので裏板の接ぎが開こうとする力を止める効果を狙っています。

 

割れ止めを貼るやり方ですが以前は板バネで接着していました。現在ではより強く圧着させるためにクランプで押さえることにしています。はみ出した接着剤はきちんと拭き取り、乾燥後鑿や紙やすり等で丸く成型します。

 

 

ウクレレ裏板割れ止め接着

 

 

横板に貼ることもある割れ止めですが、ウクレレは小さいですしハワイアンコアの横板が乾燥で割れることもほとんどないので基本的には貼りません。一部高級機種のウクレレやハカランダ等割れやすい横板の場合に貼ることがあるだけです。

 

たまに単板と合板を見分ける方法として割れ止めを言う人がいますが、表裏同じ木目の2枚接ぎの突板を貼った上ベニヤに割れ止めを貼れば見た目は全く単板と変わりません。そしてこれは昔からこの業界では行われている事でもあります。合板を単板として販売しているということではなく、見た目だけでも単板と同じように見せたいという理由からだと思います。私は合板は使わないのでやりませんが。

 

 


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