ウクレレネック反り修理への考察2015.12.09

ウクレレは基本的に弦を緩めることをあまりしません。24時間365日ずっと弦を張りっぱなしにしている方も多いかと思います。四六時中ウクレレネックは弦で引っ張られているので徐々にネック反りが起こってきても仕方ありません。ギターでもアコースティックは弦の張力がかなり強いので弾いていないときには少し緩めることを推奨していますが、クラシックギターは緩めないことも多いようです。

 

 

ネック反りが起こってきたら・・・

 

ネックの反り方にも色々あります。順ぞりが最も多く、これは弦の張力がかかる以上当然と言えば当然です。またネック材の性質によって逆ぞりしてくるネックもあり、軽い逆ぞりでしたら弦で引っ張られて丁度いい感じになるのですがひどく反ってくると当然ビレの原因になります。まれにネックが捻じれてきたりネックそのものが起きてきたりといろんなトラブルがあります。

 

ネック反りはそれ自体が問題というよりも、それによって起こってくるビレや弾き難さに問題があります。たとえネックが反ったとしてもビレも弾き難さも起こらないのであれば、特に問題はありません。弦高が高く弾き難さを感じる場合、ブリッジサドルを削る余裕があればサドルを削って弦高を低くすることで弾き難さが解消する場合もあります。

 

 

ネック反りの修理方法

 

ウクレレネック専用の電熱プレス

ウクレレネック用電熱プレス

 

指板面を電熱で温め固定します。しばらくすると接着面の接着剤がゆるくなってくるのでそこで電源を抜いて2,3日そのままにしておきます。順反り、逆反り共に直すことができますが、但し接着剤の種類によっては直らない場合もあります。膠で接着されている指板は膠が熱で溶けて再度冷やされて固まるので直りますが、化学接着剤等は時間が経つと再度反ってくる場合があります。

 

フレット打ち変え

ウクレレフレット打ち変え

 

フレットを全て抜いてから指板面を平らに削り直します。但しウクレレの指板は薄いので限度があります。ウクレレ工房 F’s uke の指板は5㎜が基本ですが、製作家により3㎜程度の薄い指板もあるのでそうなると指板面を削って平らにできない場合もあります。平らに削る余裕があれば順反り、逆反り共に直すことができます。

 

指板交換

ウクレレ指板交換

 

指板が薄く平らに削ることができない場合には指板を交換するしかありません。指板を剥がして新しい指板に貼り換えます。指板幅や厚み、ネック角等を考慮して指板を作り直します。また再度のネック反り防止のために黒檀やグラスファイバー等をネックに埋め込むことも考えられます。


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