ウクレレ3弦のビビり2015.12.27

ghsの3弦

 

よく言われるウクレレ3弦のビビり。ウクレレの3弦は4本の弦の中で一番太くテンションが弱いのでビビりやすく、またオクターブも合いにくいという厄介な弦。実際良くお問い合わせいただくビレ修理でも3弦のビビりが多いように思います。ビビりはウクレレを演奏していても不快ですし、何とか直らないかと悩んでいるプレーヤーも多いのかも知れません。

 

 

ウクレレ弦のビビりは様々な原因が考えられ一概にこれをやったら必ず直ると言えないところが悩ましいですが、いくつか原因や対処方法を挙げてみました。

 

鉄弦と違いウクレレ弦はナイロン弦なので一見しただけでは状態がよく分かりません。鉄弦でしたら時間が経つと確実に錆びてくるのでそろそろ変えなきゃと気が付きますが、ナイロン弦は見た目が変わらないのでそのままにしがち。しかしナイロン弦でも弦振動は時間が経つと確実におかしくなってくるので、定期的に交換する必要があります。実際弦を変えただけでビビりが止まったということもあります。

 

またたまに弦の不良があります。弦の太さが均一ではなく明らかに振動がおかしい弦もたまに見かけます。またメーカーによって弦の太さや材質も違うのでビレやすい弦、ビレにくい弦があるようです。

 

ナットやサドル

ナットとサドルの弦が直接接している接点は必ず点で当たっている必要があります。ナット溝やサドルの加工がまずく面で当たってしまっている場合はビレてしまいます。この場合には全フレットでビレるので原因が分かります。

 

フレット

真っ平らな指板のフレット溝へ確実にフレットを打ち込むことが大前提ですが、それでも中には打ち方がまずくフレットが浮いていたり、経年変化で浮いてきたりすることがあります。あるフレットだけが少し浮いている場合にはその部分でビレたりするので再度そのフレットを打ち込んだり、それでも直らなければ瞬間接着剤で固めフレットの頭を少し削ってやる必要があります。

 

弦高

弦高は弾きやすさに影響するのであまり変えたくはありませんが、弾きやすさになるべく影響しない範囲でほんの少し上げてあげることでビレが解消する場合があります。その場合にはブリッジのサドルを作り変える必要があります。

 

ネック反り

ネック材の性質によりネックが反ってきてしまう場合があり、その場合にはその反りを解消しなければビレは止まりません。ほんの少しの逆反りでしたら弦で引っ張られて真っ直ぐになるので問題が出なかったりもしますが、それ以上に反ってきた場合にはフレットを抜いて指板面を削ってやるか、熱を加えてネック反りを矯正してやる必要があります。

 

 

 

ウクレレ工房 F’s uke のウクレレでは3弦のビビり対策としてブリッジサドルの加工を少しラウンドさせます。1,4弦よりも2,3弦が気持ち高めになるようにサドルを加工することでビレ予防としていますが、ビレの原因は様々なことが考えられるのでこれだけで大丈夫とはなかなかいきません。

 

ウクレレブリッジのサドル

 


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