ウクレレの水研ぎ作業2016.02.20
艶消し塗装と違いグロス仕上げの場合、塗装の吹きっぱなしでは仕上がりません。吹き付け塗装では完全な平らな面は出せないので必ず水研ぎ・バフ研磨作業を行い最終的に鏡面の塗膜に仕上げます。艶消し塗装でしたら艶がないので塗膜の凹凸が強調されず吹きっぱなしでも綺麗な仕上がりになるのですが、艶有り塗装の場合はそういうわけにはいきません。
クリヤラッカー塗装は他の塗料と違い、塗膜がとても薄く柔らかいので何度も回数吹き付ける必要があります。そして乾燥も遅く、通常1週間程度は乾燥期間をおきます。とはいえ塗膜の乾燥は温度と密接な関係があるので、温度の低い冬場は乾燥が遅くもう少し乾燥期間を取りたいところですが、そうも言っていられないので仕上げに耐えうる硬さになったと判断して作業を進めます。
水研ぎとは1000~1500番手程度の細かい耐水ペーパーに水を付けて塗膜面を平らになるまで研磨します。クリヤラッカーは軟らかくペーパーにからみやすいので、水に洗剤や少量のシンナーを加えて作業をしやすくする必要があります。
工場製の楽器は塗装を何度も繰り返し塗膜をとても厚く作ってから、水研ぎ作業も機械的に行うようですが、工房製の楽器ですので当然そんな設備もなく出来ません。必要最小限の回数吹き付けて、慎重に水研ぎ作業を行うことで極薄い鏡面仕上げの塗膜に仕上げる必要があります。
塗膜がとても薄いので研磨しすぎると当然塗装が剥けてしまいます。剥けないように且つ鏡面に仕上げるには、それなりの経験がないと中々難しい作業でもあります。