古いマーチンソプラノの表割れ修理。トップ落ちがかなり酷いので、耐えきれずに割れたようです。マーチンは着色されていることが多く埋木になるとちょっと厄介でしたが、それはどうやら大丈夫そう。隙間は出来ていないようなので、そのまま接着して再塗装します。こういった場合、木地まで出すと当然着色が取れてしまうので、できれば木地まで出さずに仕上げたいところ。艶もかなりある塗装なので、部分塗装でそのまま仕上げます。

もちろん一旦塗装を剥離して木地まで出した方が綺麗に仕上がりますが、今回はとにかく着色を取りたくないので、剥離はしません。その上から部分的に吹き付けて仕上げるつもり。着色は一旦取れてしまうとどうしても目立つし、着色の色合わせはとても難しいので、だったら仕上がりの綺麗さより着色を取ります。ご依頼主も塗装の雰囲気が気に入っているということですので、なおさら着色はいじらないように仕上げたいところです。

＜追記＞

幸い埋木は必要なかったので、接着し補強パッチを貼り付けるだけで何とかなりました。着色をいじらないため、敢えて剥離はせず上から塗装するだけで仕上げました。着色は色合わせが難しいので今回着色を残せたのは良かったです。多少スジは出てしまいますが、楽器の雰囲気が壊れずこれで良かったと思います。