今回のウクレレはご依頼通り2台の指板にウッドバインディングを接着しました。1台はメイプルバインディング、もう1台はローズバインディングです。ローズバインディングは指板と同系統の色なので薄い白の突板を挟みます。当然バインディングの厚さ分、指板の幅を縮めてから接着し仕上がりは通常の指板と同じ寸法にしてあります。

ウクレレに限らずギター等でも主に上級機種の楽器で指板バインディングが貼られています。ウッドバインディングよりセルバインディングの方が多いかもしれませんが、私の場合ボディ外周にウッドバインディングを巻くので指定がない限り、指板もウッドバインディングです。

指板バインディングは横からフレット足が見えないのと、フレット溝のすき間にパテを詰める必要がないのでその作業は省略できますが、その分フレットを打つのに少し手間がかかります。また指板バインディングが貼ってあるとフレットバリが横から出ないのでその辺も後々のメリットです。

バインディングが貼ってある指板にフレットを打つために、おそらく製作家なら使っていない人はいないであろう道具がフレットタングニッパーです。フレットの足の両端をバインディングの厚さ分、切り取る専用工具です。普通のニッパーでは到底切ることが出来ないところ、この専用ニッパーだと簡単に切ることができるとても有名なニッパーで重宝しています。