Kanile’a 表板クラックの再修理2017.01.11
落下による割れ修理はよくご依頼いただきますが、今回のウクレレはすでに1度どちらかで修理されています。修理の仕上がりに不満を持たれたようで私のところへ再修理依頼がやってきました。乾燥によるクラックとは違い、衝撃破損によるクラックはしっかり圧着できれば全く見た目がわからなくなりますが、このウクレレは圧着が甘かったか割れた個所がわかってしまいます。この箇所はもうどうしようもないので裏に割れ止めのパッチを貼り付け、表板を剥離しての再塗装でどこまで綺麗に治るかです。
割れた個所の裏側には割れ止めを貼ることにしています。すでに1箇所貼ってありましたが下側の広い部分にもう1か所貼れるスペースがありましたのでそこにも貼り付けました。鏡で見ながら曲がらないように割れたところに沿って真っ直ぐ貼り付けます。また落下の衝撃で表板のブレーシングが一か所外れてしまっていて、音を出すとその部分で共振しているのか雑音が。カニレアのブレースは特殊なので少し難儀しましたが、何とかボンドを入れて接着できました。
後は表板を一旦剥離して木地からもう一度塗装し直します。横板も何故か塗装が曇っていますので、その部分はバフ掛けで綺麗になるか、無理そうなら横板も一緒に塗装をする必要がありそうです。