ウクレレブリッジの接着位置とは?2016.03.12

ウクレレブリッジのセッティング

 

音程が合いにくいということでやってきた修理楽器ですが、調べてみてちょっとビックリ。このウクレレ、ブリッジの接着位置が間違っています。本来ある位置より3~4mmほど前方に接着されています。これでは音程が合わないのも無理が有りません。オクターブで調べてもどの弦もかなりシャープしてしまい、これでは音がどうこうよりも楽器として成り立っていません。

 

またブリッジサドルがかなり高めに飛び出しています。これはネック角度のセッティングがおかしいため。要はネックが寝すぎていて、本来ならもう少しネックが起きていなくてはいけないところ。また表のスプルースは駒のところでトップ落ちを起こしてしまっているので、駒が沈んでしまっていてこれもこのおかしな状況に輪をかけてしまっています。

 

完璧にきちんと直すのであれば指板を外しネックを外し、出来れば表板も作り変えれば音程も音質もかなり良くなりそうだなとは思いつつ、それではかなり高額な修理になってしまうのでとりあえずはトップ落ちはあきらめ、ブリッジをもう少し高さのあるものに作り替えてから3~4mm後方へ接着し直します。

 

これで少なくとも音程が合いにくいという症状は解消されるはず。本来であれば製作家にクレームとして出していいレベルだとは思いますが、オーナーの方はそうされずに私に修理依頼をしていただきましたので直します。


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