テナーウクレレのネック逆反り修理2016.03.19
ウクレレは通常弦を緩めず張りっぱなしにする事が多いので、経年変化で段々ネックが順反りしてくることがありますが、今回やってきたテナーウクレレのネック反り修理は順反りではなく、より厄介な逆反りで。ウクレレの保管場所に問題があったらしく、ここまで反るかというくらいに逆反りに。ここまでなってしまうと当然音もビレてしまって楽器として成立しません。
フレットを打ち直すにしても、ここまで逆反ってしまうとちょっと無理っぽい。フレットを打つには指板面を平らに削らなくてはいけませんが、これではかなり薄い指板になってしまいうまくありません。なので今回はネックヒーターで指板面を温めて強制的に直す方法を採用しました。
指板が膠で接着されている場合、ネックヒーターで指板面を温めることで膠が緩み、その状態でネックを真っ直ぐに固定します。ヒーターの電源を切りそのまま何日間かそのままで放置。その頃には膠もちゃんと固まりネックの状態も安定します。
化学系のボンドで接着されている場合、ネックが再び反ってきてしまうこともありますが膠の場合は基本的にこれでちゃんと直ります。ただ今回のテナーウクレレはネックの反り具合がかなりだったので再度微妙に反ってくることも考えられますが、その時はフレット打ち変えで対処するしかありません。
ネックヒーターで指板を炙ると指板が縮んでフレットバリが出てきますので、これは後できちんと処理します。とにかく指板が縮む以上、ネックと指板の境目にスジが出てくることもありますので、その辺は後で何とか目立たないように誤魔化すしかありません。