ウクレレの艶消し塗装2016.03.25

ウクレレ艶消し塗装

 

ウクレレの艶消し塗装は通常ほとんど行いませんが、たまに修理等で必要になった場合のみ行うことがあります。今回のブリッジ交換修理のウクレレが艶消し塗装でしたので、横裏と同じように表板のみ艶消し塗装を吹きました。ちなみに艶有り塗装はグロスフィニッシュ、艶消し塗装はマットフィニッシュとかサテンフィニッシュ(半光沢)と呼ばれます。

 

塗料自体は艶消し塗料としても売っていますし、艶有り塗料に混ぜて艶を消すための顔料だけでも販売されています。艶有り塗装は通常吹き付けると艶のある平らな面ができ普通に光を反射させますが、艶消し塗装の場合、塗料に大粒の顔料が含まれているために多少凹凸のある面が形成され、そのために光の反射を妨げます。

 

通常艶有り塗装は仕上げ工程で水研ぎ・バフの工程があるのである程度の塗装面の厚みを必要とします。塗装面が厚ければ厚いほど剥げてしまうリスクが減るため工場製の楽器等は結構厚めに塗装するようですが、一応工房製ということで音も考慮して、剥げてしまわないギリギリの厚みを狙って吹き付けます。

 

艶消し塗装の場合は吹きっぱなしで仕上がりなので、艶有りほど塗装の厚みを必要としません。またバフ等の仕上げ工程も省けるので通常安価な楽器等で採用されている塗装方法です。ただ研磨傷が目立ちやすいので、なるべく木目に沿って研磨を行い傷を目立たなくしたり、吹き付ける回数もその研磨傷が気にならない程度までは回数を重ねる必要があります。


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