ウクレレのファンブレーシング2016.01.13
ファンブレーシングとは表板に貼る放射状に延びた力木のこと。修行時代はタコ足と呼んでいました。まさにタコの足のようだから。アコースティックギターではさらに強度が必要なため、太い力木をクロスさせた X-ブレーシングになっていますが、ファンブレーシングは主にクラシックギターの力木で採用されています。ウクレレ工房 F’s uke のウクレレは主にこのファンブレーシングを採用することが多いです。
ウクレレでは主に力木を全く貼らずに駒裏に補強プレートを貼るのみのウクレレが多く、それはそれで素朴な音が出ていいんですが、少し強度が心配。表板が波打ってしまっているウクレレを良く見かけます。表板は4本の弦でいつも引っ張られていてテンションがかかっているので経年変化でだんだん表板がゆがんでくることも。よくある症状がブリッジ下部が膨らみ、上部が凹んでしまうもの。ひどくなるとブリッジ全体が沈んでしまい弦高が低くなりすぎて音がビレてしまうこともあります。
音響的なことと強度的なことを考慮して、F’s uke のウクレレではファンブレーシングを貼っていますが、貼ると貼らないでは強度的にはやはり違うので、いい音で強度も保たれていればそれが一番です。
先日来た5年前に作ったウクレレの表板もほとんど歪みは出ていなかったので、その辺も確認できたので良かったです。とはいえ、全く歪まないとは言えず湿度の影響も受けて微妙に歪みは出ていると思いますが。