ウクレレの割れ修理について2015.12.20

ウクレレ割れ修理

 

この楽器は先日ご依頼がありました F’s ウクレレの表板割れ修理です。これを機会にせっかくだからと、あちこちにある傷の補修と全面再塗装を行います。ウクレレケースのチャックを締め忘れたまま持ち上げてしまい、下に落下させてしまったみたいです。打ちどころがいいと、どこも壊れないですが、打ちどころが悪いと結構簡単に割れてしまいます。

 

 

私が修行した茶位ギターではギターの修理も行っていましたので、割れ修理はそれこそ日常茶飯事でした。日本は湿度変化の激しい国ですので乾燥による木の縮みで割れてしまうこともありますが、今回の修理のように落として割ってしまうことも良くありました。背負ったギターケースの蓋が開きギターを落下させたり、踏んづけてしまったり、兄弟喧嘩で何百万もするクラシックギターが粉々になんてのもありました。

 

 

乾燥による木の縮みで割れてしまった場合、傷口が完全に開いてしまい押さえても閉じない場合があります。そんな時はその部分に埋め木をする必要があります。なるべく同じ色合いの木を探して埋めることでほとんどわからなくなることもあります。

 

ウクレレ表板割れ修理

 

今回のように落として割れた場合等、衝撃で割れた場合にはハタガネ等で圧着すれば接着することができます。但し一度割れたところは強度的に少し不安が残るので、補強のために裏からパッチを貼ります。スプルースを木目を交差させて貼ることで、傷が開こうとする力を押さえる効果を狙っています。


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