ウクレレのギターフレットへの交換修理2016.04.19

オベーションウクレレのフレット交換修理

 

オベーションウクレレのギターフレットへの交換修理です。以前オベーションテナーウクレレのフレットのギターフレットへ交換修理をご依頼いただいた方からの再度のご依頼になります。オベーションのウクレレは普通にウクレレ用の細いフレットが打たれてありますが、ギター用の背の高いフレットに変えることで弾き心地が違ってくるようです。フレット溝はどれも一緒なのでフレット打ち変え自体はそれほど大変ではありません。

 

 

それよりも今回のご依頼は少し変わっていて0フレットを足してほしいとの事。0フレット位置の弦が触れる支点は通常ナット部分ですが、そこを0フレットに置き換えます。0フレットが打たれている楽器は昔のギター等でたまに見かけますが、それをウクレレで行おうと。0フレットにすることで開放弦も他のフレット音と同じになるメリットがあるようですが、こういった修理は珍しいです。

 

修理内容としては0フレットを打つための木部を足さなくてはいけないのでバインディングをいったん剥がします。木部を貼り再度バインディングを貼り直してから0フレットも含めてギター用フレットを打ち込みます。0フレットは他のフレットより若干背が高い必要があると思うので、それ用に背の高いギター用フレットを取り寄せる必要がありそうです。

 

フレットが打ち終われば後はネックのみ艶消し塗装を吹き付けて完成です。フレットをこれから取り寄せる必要があり、また塗装がからむ修理なので少し時間がかかりそうです。

 

<2016/05/05 追記>

 

オベーション指板のバインディング溝 オベーション指板の0フレット溝

 

オベーションのフレット交換修理過程です。このウクレレはローズウッド指板に同じローズバインディングが貼られていたのでまずはこれを剥がしました。0フレットを付け足すためにローズの端材を付け足さなくてはいけないからです。付け足した後再度ローズウッドバインディングを接着することで、横から見て付け足したことが分からないようにしました。

 

オベーションのフレット交換 オベーションネックのサテンフィニッシュ再塗装

 

ローズ指板面は多少汚れてはいるものの、それほど反ってもいないので軽く指板修正を行い、指板面を綺麗にしつつ真っ直ぐに(ラディアス)。フレットはギター用の幅広のものを打ちました。0フレットは更に背の高い幅広フレットを。0フレットも同じフレットで打つと確実にビレてしまうので、背の高いものにする必要があります。

 

オベーションウクレレのナット再加工

 

最後に牛骨ナットを付け足して弦の溝を調整します。ナットの弦溝の深さが浅かったり深かったりするとそれだけでビレが発生するので、0フレットで弦が折れ曲がり、ナット溝でも更に折れ曲がりそのままペグに延びていかなくてはいけません。

 

 


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