ウクレレペグ交換について2015.12.18
ウクレレペグ交換の修理の依頼はよく受けます。調弦ができない!音程が狂いやすい!ヘッド落ちが気になる!等理由は色々ですが、修理自体はそれほど難しくありません。ただ穴を広げてペグ交換するだけなら素人の方でもできますが、ヘッドの再塗装が必要になってくると、やはりプロのリペアを依頼する必要がありそうです。中にはヴァイオリンタイプの木製ペグを好む方もいるのですがそういうのは特殊な例として、大体主に以下の3点が主要ウクレレペグです。
世界に冠たる日本の弦楽器ペグメーカー 「後藤ガット」製の主要ウクレレペグ一覧です。ウクレレ工房 F’s uke でも主に採用しているウクレレペグです。一部アメリカ製のペグも使用しますが、軽さや精度の面においてやはり後藤製のペグは一歩先を行く感があります。
Ukulele Pegs
UKA
特殊アルミ製の軽量ストレートペグ。ギヤ減速比は1:1。このタイプは中にギヤが入っていないのでペグの固定ネジがゆるんでくると逆回転してしまうデメリット有り。昔はもっと簡素な作りでしたが、改良に改良を重ね部品の種類も増え、今ではそれなりの逆転防止効果があります。ギヤ減速比が1:1なので微妙なチューニングにはちょっと不向き。
UK12
特殊アルミ製の超軽量ギヤペグ。ギヤ減速比は1:14。外国製の同タイプのものと比べても半分程度の軽量化を実現したギヤペグです。ギヤが入っているのでチューニングも安定しやすく、ギヤ減速比も1:14なので繊細なチューニングが可能。ウクレレ工房 F’s uke ではヘッド落ち対策のため、スロテッドヘッドには長ポストに交換したこの UK12 を採用しています。
UPT
従来からのストレートペグのフォルムを継承しつつ、プラネタリーギア機構を採用したペグ。ギヤ減速比は 1:4。ギヤが内臓されているので逆回転現象は防止されチューニングは安定します。また木部へのネジ止めが不要なので取り付けが簡単。このペグもとても軽量なのでヘッド落ちも問題ありません。
ウクレレペグ交換の注意点
上記3点のペグそれぞれでヘッドに開ける穴の径が違います。当然ですが小さい穴を大きくするにはリーマー等を使って素人の方でもできますが、大きい穴を小さくするには埋め木をする必要があるために、少し難易度が上がります。また UK12 タイプのギヤペグだとヘッドにネジ止めされているので、その穴をふさぐ必要があり再塗装が必要になってきます。
ウクレレペグのギヤ減速比について
ギヤ減速比とはペグのツマミを1回転した時に弦を巻きつけたポストがどれだけ回転するかの比率です。数字が小さいほど早くポストが回り、数字が大きいほど回りにくい半面、繊細なチューニングが可能になります。ストレートペグはギヤが入っていないので、当然ツマミを1回転すればポストも1回転します。