ウクレレ単板・合板の違い2015.12.13

ウクレレに限らずギター全般でも単板と共に合板も広く使われています。私も修行時代に廉価版のギターを中心に合板ギターの製作経験があります。ウクレレでは単板と合板で一体どんな違いがあるのか?一般には合板は安いイメージが定着しているのでハンドメイドウクレレでは敬遠されてしまうのかもしれませんが、本当に単板と合板でどれほど違うのでしょうか?

 

 

合板とは繊維方向(木目方向)を交差させる方向で3枚を貼り合わせたものです。ラワン等の少し程度の劣る芯材の裏表に薄い化粧板が貼られています。楽器専用の合板を作る加工業者があり、厚みや材料を指定して作ってもらうことができます。

 

合板にもグレードがあり、2枚接ぎのもの、4枚接ぎのもの、表裏の木目を違わせたもの、同じにしたもの等色々あります。2枚接ぎで表裏を同じにした上ベニヤは見た目だけでは合板か単板かは見分けがつきません。

 

製作家として合板を使うメリットですが、板の厚み出しをする必要がないのですぐに曲げたり接着作業ができます。デメリットとしては横板を曲げた時クビレに皺がよりやすいのと、化粧板は0.5㎜くらいしかないので、磨き過ぎると剥げてしまうことです。また合板は手がかかっているためそれなりに高価格で、コスト的なメリットは感じません。毎月何百台と作る工場なら別ですが、毎月の本数が限られている工房程度では作業的にもあまりメリットは無いのではないでしょうか。

 

修行時代、合板のギターは単板に比べて圧倒的に軽く感じましたが、ウクレレでは小さいこともありそれほど軽さは感じませんでした。製作家によってはあえて横裏どちらか、または両方で合板を使う製作家もいて考え方次第ですが、ウクレレ工房 F’s uke のウクレレでは今のところ合板は使ったことがありません。

 

合板の割れ難さは確かに魅力ではありますし将来的に使うかもしれませんが、今現在は考えていません。昔ある製作家が芯材をローズウッドで化粧板をハカランダでといった話は聞いたことがありますが、まあとにかく裏横の材質も音に影響を与えると思うので単板と遜色ないなら使うのもありかもしれませんが、今のところはまだその予定はありません。雑文でした。

 

ハワイアンコアの裏板


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